
大阪・関西万博の英国館で提供されたアフタヌーンティーがSNSで炎上している。5000円という価格に対し、紙コップでの紅茶、スコーンの提供数不足などに批判が集中。利用者の期待に応えることができず、落胆の声が広がっている。
提供内容とその価格に対する疑問
英国館のアフタヌーンティーは、5,000円という価格に見合った内容であることを期待されていたが、実際に提供されたのは、スコーン1つ、スジャータ社の業務用冷凍カットケーキ、紙コップに入ったティーバッグの紅茶というもので、予想外の内容に多くの来場者が驚き、失望した。特に、紅茶が紙コップで提供され、ティーバッグを使用している点が強い反発を呼び起こした。また、スコーンについてはメニューに記載された2つではなく、1つのみが提供され、その後、店員が「スコーンが大きくなったから1つになった」と説明したが、来場者にとっては納得できる内容ではなかった。
SNSでの反響:過剰な期待に対する落胆
SNSでは、万博のアフタヌーンティーに対する不満が広まり、批判的なコメントが殺到している。多くの利用者は、5,000円という価格に見合う内容ではないと感じており、特に「紅茶がティーバッグで紙コップに入っていること」に対して強い反発が見られる。さらに、「スコーンが1つしか提供されなかった」点や、接客態度についても問題視する声が多数寄せられた。利用者の期待が大きかった分、落胆の声が大きくなるのも無理はない。
SNS上では「これは全然伝統的なアフタヌーンティーではない」「旦那がイギリス人ですが、美味しくなさそうと言ってました」「これに5000円はバカ高い」「このアフタヌーンティーには5000円出せない」など、否定的な意見が相次いでいる。一方で、価格や内容に対して驚きとともに「万博価格だから仕方ない」「こんな事があるとは思わなかった」と受け入れがちな声もあり、反応は分かれている。
スコーンはデメララ製?ケーキはスジャータ製? SNSで“特定”も確証なし
提供されたスコーンについては、SNSユーザーによって人気店デメララ・ベーカリーの製品であると“特定”する投稿が見られた。また、ミニケーキにはスジャータ社の業務用冷凍カットケーキが用いられていたとの指摘もある。しかし、いずれも公式発表は確認されておらず、あくまでユーザーによる推測に基づく情報である。仮にスジャータのケーキとデメララ・ベーカリーのスコーンが使用されていた場合、それぞれの原価は以下の通りである。スジャータのケーキ1カットが約92円、デメララ・ベーカリーのスコーン1個が約356円だとすると、合計で448円となる。これに紅茶やその他の材料費、サービス料を加えても5,000円という価格設定は明らかに割高であり、利用者からの不満が噴出するのも無理はない。
文化的背景を踏まえたアフタヌーンティーの意義と他国のアフタヌーンティーとの比較
アフタヌーンティーは、イギリスの文化に深く根ざした重要な食文化であり、特にその提供方法や品質には高い評価が求められる。しかし、大阪万博で提供された内容は、伝統的なイギリスのアフタヌーンティーとしては、非常に貧弱であると多くの来場者は感じた。例えば、イギリス国内で提供されるアフタヌーンティーは、紅茶が高品質の茶葉から淹れられ、ケーキやスコーンも美味しさや見た目が洗練されていることが一般的だ。
一方で、他国のアフタヌーンティーを見てみると、例えば香港やシンガポールでは、異なる文化的背景を反映したアフタヌーンティーが提供されており、各国の特色を活かしたアプローチが取られている。このように、アフタヌーンティーの提供方法には、国ごとの文化や技術が色濃く反映されており、ただの飲み物としてではなく、文化的価値が含まれた体験として提供されていることが多い。今回の大阪万博のアフタヌーンティーは、そのような文化的背景を踏まえたクオリティを提供するには至っていないという点で、大きな失望を招いたと言える。
SDGsの視点からの環境配慮の不足
大阪万博は「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに掲げ、SDGsへの取り組みが大きな焦点となっている。しかし、英国館で提供されたアフタヌーンティーには、SDGsに反する環境配慮の不足が見受けられた。特に、紅茶が紙コップで提供されたことに対し、環境活動家や来場者から批判の声が上がった。万博という国際的な舞台で持続可能性を強調しながら、使い捨て容器の使用は明らかな矛盾だと言える。来場者は、展示内容だけでなく、運営側の環境意識にも高い期待を寄せており、その点で今回の提供方法は不十分だと感じる人が多かった。
万博の規模を考えると、SDGsに基づく一貫した取り組みが必要だ。使い捨て容器の代わりに、リサイクル可能な素材や再利用可能なカップを採用するなど、環境配慮を徹底することが求められる。また、飲食に関しても、フードロス削減や地元産品の使用を推進することが、万博の理念にふさわしい運営となるだろう。
万博開催から1か月も経たないうちに発生した数々の批判
大阪万博は開幕から1か月も経たないうちに、運営に関する批判が続出している。特に初日のネット環境の不具合や、駅の大混雑による混乱、未完成のパビリオン、さらには雨風から避難する場所がないなど、予想外の問題が立て続けに発生した。これらの問題は、万博の大規模な開催に対して期待していた多くの来場者にとって、大きな失望をもたらすこととなった。
アフタヌーンティーに関する不満と同様に、万博の運営に関しても期待以上の品質が求められており、今後、運営側には一層の改善と対応が求められる。