
深夜の病院で照明に照らされるベッドの上、室井佑月は「ちょっと死にかけた」と震えるように綴った。血尿と激痛で倒れ、診断は急転し、緊急手術へ。回復しきらぬ身体のまま投稿されたのは、夫で立憲民主党の米山隆一議員へ向けた「もう離婚して下さい」という強い言葉だった。
今回の一連の経緯は、夫婦関係の微妙な綻びと、SNS時代特有の“公開された葛藤”を浮かび上がらせている。
明け方の激痛 「尿管結石」で終わらない異変
6日の明け方、室井佑月は突然の血尿と背中・腹を貫く痛みに動けなくなった。救急車を呼ぶか迷いながらも、自力で車を運転して病院に向かったという。
当初は「尿管結石」と診断され、坐薬により痛みは一時的に引いた。しかし、痛みの影は消えず身体は重く、どこか違和感が残った。
そして8日、紹介先の大きな病院で診断が覆る。「尿管結石じゃなく、これから緊急手術になった」。
薄い緑色の手術着に着替え、廊下の向こうへと運ばれていくとき、彼女は携帯の電源が切れるまでフォロワーに短い言葉を残した。「心配かけて、ごめんね」。その文面には、不安の色が滲んでいた。
手術成功の報告と、不安定な術後経過
室井が沈黙している間、夫の立憲民主党・米山隆一議員がXで状況を伝えていた。
「手術はうまくいき、麻酔からも覚めています」と投稿。ほっと胸をなで下ろすような文面だった。
しかし、術後の室井には新たな試練が続いていた。抗生剤が効きにくく、熱が上がったり下がったりする日々。
脳がぼんやりし、体が鉛のように重く、思考がまとまらない。それでもSNSには、苦しい状況を絞り出すように投稿していた。
「ちょっと死にかけたんよ。今、頭、動いてない」
病室の静けさの中で綴られたその言葉は、単なる誇張ではなく、迫真の実感だった。
米山氏への不満が爆発 「外との喧嘩にあけくれてる」
そして11日夜。
室井は夫・米山氏の「手術成功」投稿を引用し、一気に感情を表に出した。
「この人すごいよね。手術はうまくいっても、妻は抗生剤が効きにくく、熱も出たりで、なのに夫は毎日、外との喧嘩にあけくれてる。もう離婚して下さい」
米山氏は日常的にX上で政治的議論や批判への反論を続けている。その姿勢は「発信力のある政治家」と評価される一方、批判的な言葉にも反応する応酬型のスタイルで知られる。
しかし今回は、妻が病室で苦しんでいる最中だった。
本人にしてみれば、寄り添ってほしいときに、夫が外の世界と戦い続けているように映ったのだろう。
静まり返った病室。点滴の滴る音。熱にうなされる夜。
その孤独が、ついに耐えきれない怒りとなってあふれた。
SNSに渦巻く共感と戸惑い
SNSには、室井の言動へ賛否が入り混じった。
「どちらも強い個性で、思いやりの噛み合わせが難しいのでは」
「夫婦間の話をSNSで世界に発信する必要はあるのか」
「健康が第一。今は感情的になっているだけでは」
「米山さん、確かにSNSでの応酬が多い印象はある」
夫婦双方に対して冷静な分析を寄せる声も多く、関心の高さが伺える。
再婚5年目の夫婦に訪れた“転機”
室井は過去に作家の高橋源一郎氏と結婚していたが離婚を経験し、2020年に米山氏と再婚した。
政治家と作家という異なるフィールドで生きる二人は、これまでたびたびSNS上で話題となってきた個性派夫婦。
今回の「離婚して下さい」という投稿が、単なる感情の爆発なのか、あるいは深刻な亀裂の表れなのかはまだ分からない。
ただ確かなのは、室井がまだ回復途上にあり、体も心も大きく揺らいでいることだ。
回復が進み、冷静に話し合える状態になるまで、どちらにも静かな時間が必要なのかもしれない。



